ゲームや海外ドラマの感想を中心に色んな話題雑談を書いてます、ネタバレ有りです。

NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム



NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム

監督:ヘンリー・ジュースト
出演:エマ・ロバーツ
上映時間:96分
全米公開日:2016.07.12
日本公開日:2017.01.06
大阪ステーションシティシネマのスクリーン11にて鑑賞、平日朝9時15分上映という事もあってか超ガラガラ。
ボックスオフィスを見た際に「あ、エマ・ロバーツ」という程度しか記憶に残らなかったものの、
なんとなく見に行った感想としてはむしろ思った以上に良くて非常に楽しめました、しかもテンポも良く。
取り扱っている内容自体はこれと言って珍しいわけではないですし、例えば数年前ならレディー・ガガが
劇中歌として使用されているだろうな、という感じで時代に合わせて同じ内容でも違う曲を使えばOK、という
具合にマジでそこまで目新しい作品ではなく、逆に10年後に初めて見たりすると「昔はやっぱり古いな」
という感想が出やすい内容だとは思うんですが、良い意味で今だからこそ出来て価値のある作品だなーと。

▼キャラクター設定が王道でイイ
主人公のヴィーは内気で本音を言えないタイプ、密かに片思いしているJPに声をかける事すら出来ない女の子。
親友のシドニーはいかにも派手好きなタイプで、指令が出ていたからとはいえ大勢の生徒が見ている前で、
平気でノーパンでスカートをたくしあげるような目立ちたがり屋、ヴィーのほうが目立つのはイヤと。
イアンは特にコレという特徴があるわけではないものの、内気な女の子が行動を起こして、その後も行動を
共にするパートナー役としては申し分の無い行動力があり、でも強要はしない明るいタイプの男と。
普段映画やドラマを見ていていちいち「このキャラ設定は王道でイイ」とか思う事は無いんですが、
この映画の場合はそれぞれのキャスティングも良くて、学生を主人公としている青春の側面も持つ映画だと、
なんというかこぅ見ていて「分かる分かる!」となる部分は誰にでもあると思うんですが、個人的にこの映画が
正にソレで、特に主人公のヴィーを演じるエマ・ロバーツが非常にハマっていてとにかく良かったなーと。
綺麗で整った顔立ちをしているものの、一歩前に踏み出せない表情の見せ方なんかが特にハマっていて。
強いて不満を言えば、ヴィーはアイコンにカメラを映していて卒業写真用の写真も撮影していたので、
恐らく写真部所属でカメラも好きなんでしょうけど、イアンがヴィーの撮影したシドニーの写真を褒める、
という以外にヴィーはカメラが好きという設定が活かされていなかったので、そこは勿体なかったかなーと。

▼シドニーが意外と良いキャラをしてた
特に良いと思ったのは冒頭でシドニーがヴィーの為にというか、残念ながら結果的には最悪の形でヴィーは
JPの自分に対する考えを知らされる事になったものの、ヴィーの事をJPにどう思うか聞いたシドニーの行動。
この場合、確かにシドニーは「自分としてはこういう風にしたほうがいいはず」と思って、言葉は悪いですが
ヴィーの気持ちがどうのではなく自分の気持ちや考え優先でJPに対してアクションを起こしたんでしょうけど、
それでも当然シドニーはシドニーで「いや、これはヴィーの為になるはず」と思って行動したはずですし、
だからこそ中盤で二人が衝突した後、完全に仲違いするわけではなく終盤では再度ハグを出来る程に友情が
復活していたというか、ヴィーはヴィーで当然シドニーをよく思っていない部分があって、シドニーも
はっきり言ってしまうとヴィーを下に見ていたでしょうし「内気で本音が言えないヴィー」だからこそ、
別に自分にとってのメリットがどうとかではなく、そういうヴィーだから親友として接していた、という部分も
お互い当然あったとは思うんですが、それでも一緒に居て楽しかったからこそ衝突した後も友情が復活したと、
個人的にはそう思うので、そういう見せ方や演出に仕上がっていたシドニーのキャラは良かったなーと。
このゲームの視聴者同様、個人的にも二人が衝突した時はヴィーがシドニーを完膚なきまでに叩きのめす、
という展開のほうが見たくてヴィーを応援していましたけど、そこで終わりにならず、最終的に二人の絆は
更に高まる結果になったと思うので、ホント良かったなーと、そしてまた無駄にイカついシドニーの目玉の指輪。

▼全体的に演出が優れていた
この場合メインキャラが高校生、という若者だからこそ映えた演出だと思うんですが、夜のニューヨークを舞台に
きらびやかな映像だったり、ノリの良いポップな音楽、ヴィーやイアン達のIDを空に表示して場所と視聴者数を
棒グラフ的に表示する見せ方、街のあちこちでヴィー達を撮影しながら応援している視聴者達の姿etc
とにかく演出が非常に秀逸で、変な表現ですが終始ノリノリのクラブで展開しているかのようなアッパー感。
通常のパートでも、特に冒頭でPCを立ち上げて、ヴィーの目線でSpotityを起動して曲を聞いたりネットをしたり、
メールを開いたりビデオチャットをしたりと、最近の映画では普通ですがタブを閉じずに連続して使ったり、
この辺りが非常に、良い意味で今の普通らしくて良かったです、数年後には古いかもしれませんが正に今風。
最後のフタッフロールも色々凝っていて良かったというか、スタッフロールが凝っていると満足感が凄いなと。
細かい美術を見ても前述のシドニーが付けていた目玉の指輪だったり、ヴィーの友人のトミーがヴィーの母親を
「ヴィーのお母さん」的な名前ではなくナンシーと名前で登録する高校生っぽさなど、無駄に優れていて。
衣装的な面を見ても序盤の大人しいものの地味な感じで普通の高校生っぽさが出ているヴィーの私服。
約4000ドルもの派手なドレスを着るヴィー、赤いフード付きパーカーが目立ちはするものの密かに行動している
雰囲気をしっかり醸し出せていたヴィー、といった具合にヴィーのみを見ても衣装のセンスが良かったです。
一方のシドニーも無駄にビッチ感の出ている派手目な衣装がまた似合う事。

▼いかにもありそうなオンラインゲーム
ココ数年はこういったネットを題材にした作品も増えましたし、それこそ日本でも時事ネタで言えばこの一ヶ月に
おでんだったりチェーンソーだったり、そういう一件が悪い意味で話題になりましたけど、正にその手の動画に、
視聴者は存在していて、更に参加者に対して指令を出す事が出来て、視聴者が見るには登録に金銭が必要、
恐らくはその金銭で視聴者への報奨金が支払われていて、しかも特別誰かが意図的な指令を出したりという事も
最後まで無かったので、この手の作品にしては珍しく悪者や黒幕という犯人側が存在しない設定。
棄権で賞金没収という事は、劇中では語られていなかったものの失敗の場合でも当然没収のはず。
で、可能かどうかは別にして、最初の方はそれこそ簡単な指令ばかりなので、ヴィーが勢いで参加したように、
比較的まだ問題にならない程度の行動で100ドルだったりが簡単に手に入るのであれば…しかもリスクの少ない
指令であれば、優勝しないと賞金が貰えないものの友達がやっていれば、高校生ぐらいの年代ならつい簡単に
手を出してしまったり、昔で言う度胸試し的に「じゃあちょっとやってみるか」で簡単に手を出しやすい、
というオンラインゲームなのがまたリアルですよね、マジでこういうのは実際どこかにありそうな感じ。
ただ勿論そこは映画ですし、実際の現実でもそうでしょうけど指令がどんどん危険にエスカレートするという。
とは言いながらも、前述のように棄権も可能なシステムになっているので、賞金こそ全額没収なものの嫌なら
その場で辞めれるので、この辺りがまたリアルですよね、やるかどうか自分の選択なので強制力が無い。

▼視聴を辞める展開が良い
最初にこのゲームサイトを立ち上げた人物は確実に存在するものの、参加者への指令は視聴者が出していて、
劇中では描かれてなかったものの恐らく多数存在する指令の中から視聴者が「これが見たい」と思ったやつを
投票するとかして、それで1位になったものが指令として提示される、という感じのシステムだと思うので、
少なくとも厳密な犯人だったり黒幕だったり、そういう悪役が存在しないというのが前述のように面白いですし
リアルだと思うんですが、最後に参加者全員のフルネームがスマートフォンやタブレットに表示されたように、
参加して危険な行為を増長させたのは全員の責任なので、ホントこの辺りはネットの危険性や自分が犯罪に
加担しているという曖昧さを分かっていないその他大勢への警鐘になっていて、視聴者達は自分の名前が
表示された事で一気に見るのをやめるようになった、というこの展開は良かったなーと思いました。
映画自体の終盤の展開には賛否両論あるかもしれませんが、確かに興味を持って「ただ見ていただけ」でも、
そういった人達が「これはヤバイ」と感じるのは匿名性が消失して自分が特定される瞬間だと思うので、
描写上「怖くなった」という描写は無かったものの、ここで一気にゲームの視聴を辞めたのが良かったなーと。
ただ前述のように、タイには既にコンタクトを取っていてヴィーは撃たれてない、とかの辺りは流石にあまりにも
読める展開だったので、この辺りの展開ももう少し上手くしてもらえると嬉しかったところではありますが。

▼パンフレット雑感
720円、全26P、表紙と裏表紙も含めると28P、表紙は現地で使用されていたポスター画像と同じものを使用。
内容はイントロダクション、簡単なストーリー紹介、プロダクションノート、現地人ではなく日本人2名のコラム、
本編映像のスチール写真、ヴィー役エマ・ロバーツとイアン役デイブ・フランコの経歴紹介と簡単なインタビュー、
その他メインキャストの経歴紹介、監督や脚本等スタッフの簡単な経歴紹介。
映画本編自体がきらびやかなネオンだったりの綺麗な映像や演出で彩られていたのと同様、使用されている
本編のスチール写真も非常に綺麗なモノがセレクトされているので、単純に見た目の雰囲気が綺麗な仕上がり。
欲を言えば撮影中の一コマだったり、休憩中のキャストやスタッフの写真なんかもあれば尚良かったものの、
全体的には良い意味で「これぞパンフレット」という感じなのではないかと思いました、720円で26Pなのも上々。

▼感想まとめ
正直現地で公開された時も然程気にはしておらず、この映画が日本でいつ公開かも全く知らない状態で、
たまたま年末にドント・ブリーズを見に行った際、上映前の予告でこの映画が宣伝されていて、そこでようやく
日本公開が決まった事を知った、という程度の興味でしか無かったんですが、評判が良いらしいというのと、
そういえばエマ・ロバーツってスクリーム4以来見てないよな、という程度の理由で見に行ってみたんですが、
これがまた予想以上に面白くて、失礼な表現になりますが思わぬ掘り出し物という表現が似合う面白さでした。
ジャンルとしてはスリラーという事でいいと思うんですけど、B級ホラーによくある低予算アイデア勝負、
の作品と似たような感じで、アイデアの良さと、この場合は功を奏している尺の短さも手伝ってテンポが良く、
見ている最中はのめり込んで見ていられましたし、ゲームの参加者同様観客としても果たしてヴィーが本当に
この指令を達成出来るのかどうか、と興味本位で見ている自分も居たりと、色々と上手い作りでした。

単純にテンポが良いだけではなく、中盤で96キロ以上目隠しで走れ、のバイク疾走シーンなんかは緊張感が
非常にありましたし、建物の間にハシゴをかけて渡れるかどうか、のシーンは高さも伝わってくる怖さで、
クレーンの先端でいきなりドローンが下から登場した時はイアン同様ビクっとなる怖さだったりと、NEVREという
ゲームが視聴者参加型のゲームであったように、この映画自体も観客参加型の作りで非常に面白かったです。
アトラクション的というか、主題はやはり若者に対するSNSを中心としたネット依存への警鐘的な意味合いが
込められた作りでしたけど、特にヴィー達同様20才前後のカップルで見れば非常に盛り上がりそうな作り。
前述のように、個人的にはホラーに良い意味で通じる面白さやアイデアの良さも感じられたので、スリラーでは
あるものの、むしろホラー映画が好きな人にも結構楽しめるんじゃないかなと思いました。
ホント失礼ながら、期待せずに見たというのも良かったと思うので、新年一本目の映画がコレで良かったなーと。

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2017-01-10 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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サイレンス



サイレンス

監督:マイク・フラナガン
出演:ケイト・シーゲル
上映時間:81分
全米配信日:2016.04.08
日本配信日:2016.04.08
NetFlixで視聴、というより現状日本ではDVD等の発売予定が無いようなのでNetFlixでしか視聴不可の作品。
主人公が聴覚障害、基本的に犯人とサシの勝負、というなんとも珍しい設定のホラーですが、特に序盤の
尋常ならざる緊張感だったり、設定を活かした展開が多く用意されていて単純に面白い作品でした。
内容も勿論良かったんですが、内容以上に「ちゃんと設定を活かしている」という脚本的な面白さというか。
主人公は主人公で「気ままだから」という猫にビッチという名前を付けて、しかもそのビッチという名前を
つけるのが女性だというのがまた面白いところだったり、本筋と関係ない部分でも小ネタが光る感じ。

▼聴覚障害者という珍しい設定
何らかの障害を持った人物が主人公、という設定自体は別にそこまで珍しくはないものの、ホラー映画で、
しかも基本的に主人公と殺人鬼の一対一で描かれるタイプのホラー映画で主人公が耳が聞こえない、
という設定は流石に珍しすぎるので、まずこの設定だけで面白いなと思わされました、と同時に不利すぎる。
そしてこれは当然の事ではあるものの、その「耳が聞こえない」を活かした展開が多かったのが何よりも良く。
例えば序盤で友人が助けを求めてやってくるも、耳が聞こえない事で全くその状況に気付かず無残に友人惨殺。
何度か屋外へ逃げようと試みるも、自分が足音を立てているかが分からず、殺人鬼が足音を出してるか、
どちらも分からないので屋外で逃げようにも微妙に身動きの取りづらいもどかしさがあったり、かと思えば
最後の最後は聴覚ではなく「たまたま犯人が迂闊に笑った事で耳にかかる息」で気付くという展開の妙も。

▼普通の犯人だったらどうなのか
偶然その場に居合わせた人物を発見、となった場合犯人からすれば目撃者は極力消したいでしょうけど、
当然マディーが聴覚障害者という事は最初予想もしてなかったでしょうが、どうも反応がおかしいと感じ、
家の中に侵入して、ビデオチャットの際に手話で会話してるのを目の当たりにして「マジで聞こえないのか」
と分かるわけですけど、となると犯行は確実に目撃されてないわけなので、普通の犯人ならどうなんでしょうか。
この犯人に関しては性格的にも楽しんで殺す、というタイプだったので自分からマスクを取ったように、
むしろ「面白そうなターゲットを発見した」程度の気持ちだったんでしょうけど、普通の犯人だったら、
顔を見られていないし犯行も目撃されてないので殺さず放置するのか、それとも監視カメラ等の可能性を
考慮して気付かれないうちに簡単に後ろから殺すのか…まぁどちらにせよ、今回のような犯人だからこそ
最後は自分が死ぬハメになったわけなので、他の犯人なら犯人側としては問題なく終わっていた案件。

▼耳が聞こえないと当然不利
劇中でも何度か描かれていたものの、当然ながらやっぱり耳からの情報を仕入れれない、というのは不利。
例えばマディーは車のサイレンを鳴らして男の注意をひきつけたものの、マディー自身は耳が聞こえないので、
サイレンがまだ鳴っているのか、果たして今男がどの辺りを歩いているのか、逃げようとしている自分は
足音を全く立てずに逃げれているだろうか、といった予測が全くつかないわけなので、精神的ストレスが。
同様に、外に出て逃げようとしてた時も男がどこに居るのか、また密かに歩いているつもりでも自分は
果たして足音を立てていないか、足音は立てていないが一瞬出してしまったような音を聞かれていないか、
といった耳から得られる情報が一切無いのがキツイので、この「耳が聞こえない」もちゃんと物語に展開として
有効活用されているのが非常に良かったです、良い意味で設定がちゃんと活きている。

▼作家という設定が活かされた展開
残念ながら最初の友人とは違い、マディーが気付いてピンチを知らせてしまったが為に殺されてしまうジョンが
流石に不憫でなりませんでしたが、文字通りジョンが命がけでマディーを逃がそうとした際にまさかのマディーが
殺される展開で「ええぇ!!?」と思ったら、作家の主人公らしい展開で、頭の中で逃げた場合の結末の
一つとして思い描いた予想展開で、他にもどういう選択を選べばこういう結果になる、というシュミレーションを
普段自分が書いている小説のように無数に想像していき、逃げも隠れもしなければ殺すしかない、となる熱さ。
実際可能かどうかはさておき、正直状況的にはもうコレしか無いですよね。
逃げるのは不可能で隠れるのにも限界があるので、となると不安の種である男の存在を消すしかないという。

▼特に序盤の緊張感が尋常ではない
友人がすぐ側で命の危機に晒されて助けを求めているのに全く聞こえない、という見ている視聴者のほうが
「おいおいおい!」と思わされるこの緊迫した展開に始まり、徐々に犯人がマディーに対してアクションを
起こしていき、遂には誰かが近くから写真を撮影してメールを送りつけてきているという不穏な展開。
添付ファイルを不審に思い室内を見渡すとドアが開いていて、身構えつつ移動してドアの外を見るとそこには
覆面を付けた男が立っている、というこの時の不気味さと緊張感は非常に素晴らしかったなーと。
挙句にマディーが「誰にも言わない、顔も見てない」とメッセージを書くとわざわざ覆面を取る異常事態。
展開の緊張感もさる事ながら、特にこの辺りの視聴者側の予想を良い意味で裏切る予想外の展開が多く、
その辺りも非常に良かったです、まさか犯人がいきなり覆面を取るなんて流石に想像出来ず。

▼感想まとめ
意外というと失礼ですが、ホント意外と面白かったです。
同じくNetFlixで見たトライアングルという映画の感想を色々見ていて、トライアングルが好きならコレも、
と勧めている方が多かったので試しに見てみるか、という程度で見始めたですが、変わった設定だったり、
この手のホラーには珍しく基本的に終始主人公と犯人の一対一、という構図も面白かったりで、良い意味で
結構変わった設定や展開で、単純にそれだけでも結構面白かったなーと。
勿論良いばかりではなく、一対一という状況のせいで当然死人も出なければそこまでテンポ良く物語がポンポン
進むわけではないので、やや中だるみしている傾向もあったものの、設定の妙で色々楽しませて頂けた感じ。
最後は紙一重でナイフを回避する、という運もあったものの、いきなりボウガンを直撃させたり、最後の
怒涛の追い込みで犯人を殺したりと、反撃関連の展開が非常に熱かったのも印象的でした。
ホラーが好きな者としては王道のスラッシャー系統も良いものの、たまにはこういう変わった設定や展開が
メインで物語を描く作品も勿論嬉しい限りなので、この作品のように変わったホラーが増えてほしいなと。

2016-10-28 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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トライアングル



トライアングル [DVD]

監督:クリストファー・スミス
出演:メリッサ・ジョージ
価格:¥3,175 (2016.10.15時点)
時間:99分

発売日:2011.12.22
NetFlixで視聴、レンタル開始当時から気にはなっていたものの、やっぱり時代が便利になったのが良くなく、
どうしてもBDが無いならもういいや、となってしまう事って多いと思うんですが、個人的にもこの映画は
まさしくソレでレンタルも販売もDVDしか無いからもういいか、と思って忘れていた頃にNetFlixで配信。
しかもNetFlixだとHD画質で見れるわけなので、少なくとも日本国内においては非常に貴重。
作りとしてはホラー映画なんかによくある低予算アイデア勝負、というタイプの作品で、失礼ながら出ている
俳優もコレといった有名人がおらずCGも微妙な出来、でもループ物という何かと脚本上難しい題材を扱って、
しかも面白い仕上がりになっているので、これはもう見て良かったなと思えました、非常に良い出来。

▼展開の流れが良い意味で盛り上がる
友人達とヨットでクルーズに出ると嵐に遭遇、ヨットが転覆し絶望的な状況で遭難していたら偶然大型船が
通りがかったので助かった、と思いきやどこを探しても船内には人が見当たらないという不思議な状況。
そんな中、何故か主人公のジェスは船内の光景に見覚えがあり不思議そうにしていると、友人達がジェスに
襲われたらしい、という全く身に覚えのない状況に遭遇、極めつけに麻布をかぶった人物が銃撃してくる、
というこの「悲惨な状況を脱したと思ったら避難先はまた別の地獄だった」という良い意味で典型的な地獄。
ジェス達にしてみれば文字通り悪夢としか言いようのない展開なのでたまらないでしょうけど、この序盤の
流れは非常に盛り上がる展開で良かったです、王道なものの盛り上がるという上手さ。
ただ、勿論全てが良いわけではなく、嵐に遭遇するまで16分、船に乗船するまで22分、少なくともこの
序盤の22分程に関してはホラーにありがちな「コレ無くてもいいよな」の展開なので、最初の最初で脱落する
人も居るかもしれないのが勿体無いかなーと、2度目の視聴の場合はジェスの言動に注目出来るので何かと
伏線だったりを探す為に楽しめるものの、初回の視聴だと序盤は正直無くてもいいレベルで微妙に。

▼いわゆる一周目のジェスを巡る謎
ループが始まる前の状態をゲームでお馴染みの一周目という表現を使わせてもらうと、麻布の殺人鬼が自ら
海へと落下してグレッグ達の声が聞こえてくる、ここから二周目なわけですけど、視聴者視点で言えば
一周目の様々な謎に対する吸引力は非常に素晴らしいものがあったなと思いました。
前述のようにジェスは船内に見覚えがあるわけですが、何故か船内に自分が持っている鍵や息子の写真、
メインホールの時計はジェスが今現在付けている腕時計と同じ時刻、血だらけで再会したヴィクターは
ジェスのせいでこうなったと言い、射殺体のグレッグを撃ったのもジェス、サリー達に劇場へ行けと言ったのも、
とにかくジェス自身が知らないうちに全てジェスが行動した事になっている謎で、視聴者としても別にジェスの
行動に空白の部分があったわけではないので、映像的なトリックを使われた事によるジェス二重人格説、
というのも恐らくは無いであろう状況、これはどういう…と色々考えながら見ていると、一般人のジェスが
ショットガンを機敏な動きで回避して瞬時に下の階へ逃げ延びるという異常な運動神経と判断力を発揮。
殺人鬼を追い詰めると、ジェス自身はこの時当然焦っていて余裕が無いので気付いてなかったようですが、
明らかに麻布の下から聞こえてくるのはジェス自身の声、その人物が「皆を殺さないと家に帰れない」
という妙なアドバイスをして明らかに自分から海へ身を投げ出すという謎の行動。
ここまできて視聴者側にも「この麻布の人物ってマジでジェスかよ」と確信が持てるわけですが、という事は
未来のジェスか何かか、と不思議に思っているとグレッグ達の声が聞こえてきて「ループか!」と。
またここで普通と違うのは、グレッグ達のヨットには当然ジェスも乗っているので、オリジナルのジェスが
何人も同時に存在しているという、中々ループ物でもお目にかかれない展開に突入するこの面白さ。

▼衝撃的な映像とインパクト
まず一発目の衝撃として、ジェスが瀕死のサリーを追いかけると、なんとそこには大量のサリーの死体、
というあまりにも異様な光景が広がっていましたが、これはもうインパクトが凄かったです。
単純に映像的な脅威もそうですし、ジェスも視聴者も、当然このサリーの死体の数だけ何度も同じような
展開を繰り返しては無駄に終わりまた最初から、という果てしないループを繰り返してると分かるので、
色んな意味でコレはインパクトが凄かったなーと、単純なインパクトとしては個人的にも映画史上屈指。
そしてトドメのインパクトが、物語開始直後のひどい母親である自分をジェスが殺して…勿論この時点で
おかしいのはおかしいんですが、それでも息子を連れてヨットに乗らず街を出ようとしていたので、
多少の矛盾に目を瞑る形で意外とハッピーエンドか?と思わせておいて、車にぶつかってきた鳥を
捨てる為に波打ち際までいくと、先程のサリー同様、そこにはおびただしい数の大量の鳥の死体が、
という流石に予想出来なかった光景、サリーの件同様、既にジェス自身がこの行動まで何度も繰り返し、
それでも意味が無いと悟らざるを得ない展開でジェスの絶望的な表情も見事なものでした。

▼勿論矛盾や不自然さも無くはない
この手のループ物や歴史改変展開はどうしても矛盾が出てきてしまうものの、そこまで細かいツッコミを
するわけではなく、単純に劇中で明らかにならなかった「アレはなんだったのか?」が気になりました。
例えばジェスとグレッグが見た「劇場へ行け」の血文字は、実はダイイングメッセージでジェスと
書かれていたものをジェスが書き足して「劇場へ行け」に変更したという事実が判明しましたが、
わざわざ「あの血文字はこういう理由だった」と明かしたのに、似たようなケースでジェスが目にした
「彼らが乗ってきたら殺せ」は、どのタイミングでジェスが書き残したのか、が明らかにならず、
何故「皆を殺せばいける」という謎の結論に直結してしまったのかも謎というか。
究極的に言えば、ジェスは助ける事が出来ないと分かっているトミーを、物語冒頭でやっていたように、
助けられないと分かっていてももう一度会いたい、もう一度抱きしめたい、という願いを満たす為に
このループを繰り返しているわけですけど、いわゆる最初の「殺人を初めたジェス」は当然本来なら
存在しないはずなので、ということは極端に言うとこの映画で描かれているのは、最後にタクシーの
運転手が待つと言っていたように、同じ展開を繰り返す為にジェスが用意した空想とも言える展開なので、
そういう風に考えれば不自然な部分があったとしてもそれはジェスが詰めきれなかった部分、でしょうか。

▼感想まとめ
前述のようにDVDしかレンタルが無いしまぁいいか、と思って見過ごしていたのが勿体無いぐらいの
面白さで、今回配信してくれたNetFlixには非常に感謝といったところなんですが、ジャンル的には
ホラーというよりサスペンス系の作品という事でいいと思うんですけども、中々この手のループ物を
真正面から取り扱った作品というのがこのジャンルではない中、上手く面白い仕上がりになっていて
良かったというか、やっぱりこの手の作品は見ている側もどんどん仕組みや「次はこうすれば」
と色々考えながら見れるので、別に展開予測ではないですけど、面白さの度合いがまた違いますよね。
特にこの映画の場合は、別にどんでん返しというわけではないものの終盤でも大量の鳥の死骸だったり、
実はジェスはトミーを道連れにする形で交通事故を起こしてしまっていたり、しかもソコから実は
物語が始まるヨットハーバーへ向かう流れになっていたりと、久しぶりに「そうきたか!」と見ていて
唸らされる作りになっていたので、ホント久々にこの手のジャンルでシナリオを楽しめた気がします。
むしろこの手の作品は低予算で制作するからこそこういう内容に挑戦出来る、という側面も少なからず
あると思うので、やっぱり世間的にはB級扱いされるマイナーな作品にも光るものはあるよなーと。

2016-10-15 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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ザ・ボーイ ~人形少年の館~



ザ・ボーイ ~人形少年の館~ [Blu-ray]

監督:ウィリアム・ブレント・ベル
出演:ローレン・コーハン
価格:¥5,076 (2016.10.08時点)
時間:98分

発売日:2016.10.19
レンタルBDで視聴、ザ・ボーイだけだとありがちなうえに内容も正直伝わりにくいとは思いつつも、
日本での劇場公開がかなり絞られていた事を考えると、人形少年の館なんてサブ邦題は必要なかった気が。
というか突っ込み始めたら語感の響きはアレかもしれないもののせめて屋敷だろう、とか。
個人的にこの映画は非常に楽しみにしていたんですが、まず物語の始まり方が良い意味でホラー映画の
王道っぽい感じで好印象で、そこから物悲しい感じのピアノの曲が流れ始め、どこか不気味な感じの人形を
映したり車の移動風景を映したり、というホラーの王道中の王道の始まりで最初から好印象でした。

▼最初に扉を開く演出が非常に巧み
グレタが屋敷の扉を開けて、カメラの映像としては屋敷の内部からの映像になっていたわけですが、屋敷の中は
非常に暗い映像になっているのに、当然扉を開けた事で扉の向こうからは陽の光が屋敷の中へと射し込む。
この光と闇の対比が王道ながらも非常に良い感じでした、外は光の射す世界で非常に明るいものの、屋敷内は
全くの闇と言ってもいい程に光が無く暗い世界という、これはホント王道の対比表現での演出なものの、
冒頭の曲や雰囲気といい、全体的に良い意味でホラー映画の王道としての見せ方を心得ているなーと。

▼展開が良い意味で意外
特典映像のほうで監督も触れてましたが、ホント意外と読めない展開が多かったですし、特に間延びせずに
色々と展開していくので、テンポが良く、それでいて展開に意外性があったのが何よりも良かったです。
例えば、それこそ死霊館の1作目のように今の時代に見ればあまりにも超王道なだけの展開を延々と、
でも非常にホラー映画らしい丁寧な演出で作り上げた作品もそれはそれでいいですが、この映画のように、
敢えて王道展開をせずに「そうきたか」の展開で描きつつ、でもブラームスが移動していたりコッチを見てたり、
のあまりにも王道な演出を使っていたりと、この辺りのバランスが良かったなと思いました。
内容の面白い面白くない、は好みもあるのであれですけど、見ながら「この場合ならこういう展開か?」
といった具合に色んなパターンを想像出来て、でも結構違う展開が来たり、という構成なのが面白かったです。
実際ブラームス本体の登場は色んな意味で賛否両論あるかとは思うんですが、後半は色々勢いが凄かった。

▼何故グレタはこの仕事をしようと思ったのか
実際にブラームスと対面した際に、当然ではあるものの人間の男の子ではなく人形だった、という事で
つい吹き出してしまうも、夫婦やマルコムがブラームスに対して人間にするソレと同じように接しているのを
目の当たりにして驚いた表情を見せつつも、失礼な態度を取るわけにもいかず冷静に対応はしてましたが、
はっきり言ってしまうと、やっぱりまぁ気持ち悪さとか不気味さ、この夫婦大丈夫か?という色んな意味での
不安のほうが勝ってしまうと思うんですが、それでもグレタが仕事をしようと思った理由はなんなのか。
まだ旦那さんのほうは仕事の説明中に人形を息子として扱ってる事に関する補足があったのでグレタとしても
「旦那はまだ話せる」と感じたでしょうけど、メインで接する事になる奥さんがかなりヤバイだけに、
何故そこまでしてこの仕事をしようと思ったのか、が描かれなかったのは少し残念だったかなーと。
接近禁止命令を出した男が追いかけてきている、という事でしたがグレタ自身も妹?に電話で言ったように、
不気味に感じて「二週間ならまだしも二ヶ月」と言っていたので極力やりたくないんでしょうし、なにより
特定の人間から逃げているのであれば数ヶ月隠れたところで意味は無いので、なら何故この仕事を選んだのか。
本筋には全く関係無いですし、実際最初の週給が妹?の月給を超えていたようなので、給料が良くて、尚且つ
金銭的にも困っている旨のセリフはあったものの、なんとなく違和感を感じてしまったので何故選んだのかなと。

▼コールの登場が意外
普通の映画ならまだしも、ホラー映画でコールのように主人公が逃げてきた相手、がマジで登場して、
ちゃんと物語にも絡んでくるという展開は結構珍しいので、これは良い意味で意外でした。
言い方は悪いですけど、初期設定としてDVの彼氏から逃げたという、主人公であるグレタが「物語の舞台に
なるこの館にわざわざ仕事で来たのはこういう理由です」という初期設定の理由付けの為だけに存在していて、
結局物語には大して影響しない、というのがホラー映画の王道なのに、マジで出てきたのは意外だったなーと。
と同時に、コールが現れた時点でのグレタはブラームスをちゃんと持ち歩いて行動しているので、ここは
典型的なコールに対してブラームスが謎の力を発揮して殺害なり消すなりしてグレタは感激、ブラームスへの
異常な執着がどんどん目に見えて出てきて、という展開になるかと思いきやそうではない、という流れも良好。

▼ブラームス本体の不気味さが異常
ホラー映画である以上、実は人形がチャッキーのような感じで生きてる、人形に悪霊が取り憑いている、
老夫婦が裏で糸を引いている、生きていたらブラームスと同じぐらいの年齢という露骨に怪しいマルコムが黒幕。
基本的にはこのどれかなんだろうな、と誰もが思っていたのではないかと思うんですが、いきなり壁を破壊して
奥から無駄にガタイのイイ仮面のブラームス本体が出てきた時は不気味さを通り越して笑うしかなかったですが、
そのブラームス本体が中々不気味な感じを見せていて非常に良かったなーと。
残り物の食事を食べているだけにしてはガタイ良すぎるし身体能力がおかしいだろう、というツッコミは
ひとまず置いておくとして、いきなり出てきてそこそこの長身、恐ろしくガタイの良い体つき、そして何より
レザーフェイスや蝋人形の館を彷彿とさせるデザインの若干ただれた感じの仮面。
それでいて精神は子供のままという設定なのか妙に子供っぽい言動はあるわ、いきなり出てきてコールを殺害。
色んな意味でとにかく不気味な感じが出ていたので、展開の良し悪しは別にして非常に良いデザインだったなと。

▼感想まとめ
公開の暁には見に行こう、と思っていた程楽しみにしていたホラー映画なのに、近場での上映が二日間だけで、
しかも時間帯的にも仕事の関係で見に行く事が出来ず、という悔しい思いをしていたんですが、楽しみにして、
それでようやく見ての感想としては最初から最後まで楽しく見させて頂けて、面白い仕上がりだったなーと。
個人的にホラー映画が好きなのでどうしても評価は甘めになるんですけど、良い意味で非常に丁寧な作りで、
演出だったり見せ方も含めて「これぞホラー映画の王道」という描写が多くて、でも結構意外な展開もあったり、
という構成になっていたので、飽きずに最後まで楽しめたのも良かったです。
同様に、これはホラーに限った事ではないですが例えば人形ブラームスが食べない食事は捨てずに置いておく、
のルールがちゃんとブラームス本人がソレを食事として食べてたんだろうな、と分かる伏線になっていたり、
全体的に「あー、序盤のアレはこういう事かー」と後半で自然と分かる脚本なのも良かったです。

勿論、かといって全てが良いわけではなく、結局うやむやのまま終わっていたり、どうにも不明瞭な説明のまま
最後まできてしまったな、と思える箇所も当然ありましたし、流石にブラームス本体の登場や、いくらなんでも
そのガタイの良さはおかしいだろう、とつい我に返ってしまう部分もあったりで、一つの作品として見た場合は
どうしても評価が下がってしまうと思うんですけど、それでも個人的には最後まで楽しめたので良かったです。
ブラームスの人形が不気味なのも良かったです、直近で有名な人形と言えばあのアナベル人形がありますが、
流石にアナベル人形と比べるとあの強烈な、明らかに呪われているとしか思えない邪悪な面構えと違って、
ブラームスのほうはいかにも綺麗な顔をした人形で、別に劇中で動いたり目がギョロっとしたり、という
演出が無いのに、グレタが不気味に感じたように、ソコに座っているだけで十分不気味な感じが出ていたので、
これも非常に良かったなーと、よくある表現ですけどブラームス人形も十分キャラが立っていたというか。

ホラー映画のお約束で、どうしても屋内のシーンだったり暗い場面での展開が多いので、一部何をしているのか
分かりにくい映像が多く、ラストのほうなんかは非常に暗くて分かりにくかったのは難点ですが、ホラー映画を
好きな者として言えば、意外と少ない人形を用いた作品で久しぶりに面白いホラーに出会えたなーと。
内容以外の点で言えば、日本語字幕の翻訳、吹き替え用の翻訳、これらが似たような翻訳なのも良かったです。
ブラームス人形を何者かが修復している映像で終わったので、やろうと思えば続編も作れる終わり方でしたが、
個人的には、なんとなくこのままこの作品は終わってほしいような感じもするので、続編は特に希望せず。

2016-10-08 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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死霊館 エンフィールド事件



死霊館 エンフィールド事件

監督:ジェームズ・ワン
出演:ヴェラ・ファーミガ
上映時間:133分
全米公開日:2016.06.10
日本公開日:2016.07.09
大阪ステーションシティシネマのシアター6にて鑑賞、前作は視聴済み。
個人的に前作は100点満点で言えば70点ぐらいの可も無く不可も無く、な印象で、特に続編に関するニュースも
全く知らず、たまたまボックスオフィスを見ていた時に続編が制作されていて、結構興行収入もイイじゃないか、
という程度で、それでもまだ興味自体は惹かれなかったものの、ほぼ毎週映画館へ映画を見に行ってる状況で、
たまたま7月3週目に見る予定の映画が無かったので、じゃあ見るか、という非常に申し訳ない適当な理由で
鑑賞に至った次第なんですが、これがもう絶賛レベルで面白い仕上がりになっていて見て良かったです。
一言で言えばとにかく丁寧な作りだなと思いました、伏線も良い意味で覚えている内容を終盤に使ったり。
ホラー映画ではあるものの、単純に映画として見た際にも面白かったですし、特に女性にオススメな感じ。

▼珍しい展開が非常に多い
珍しいと言ってもホラー映画自体世の中には大量にあるので、他作品でも似たような展開はありますし、
実話に対して「珍しい展開」とか失礼に当たるかもしれませんが、それでも珍しい展開が多かったなーと。
家族全員が怪異に遭遇して、すぐに家を出てご近所さんの家に避難するという展開は非常に珍しいですし、
その事からも分かるようにお約束の郊外の一軒家でなく普通に街中にある家でいきなり怪異発生もレアケース。
序盤から周囲や観客にそう思われても仕方ないと取られかねない丁寧な描写もあって、霊的現象を信じない
専門家から自作自演ではないのか、と真っ向から疑われる展開も非常に目新しく良かったです。
特にこの母親の場合は序盤が嫌な描写の目立つ展開が多かっただけに、助成金目当てで事件を起こして、
というのも100%ありえないとまでは言えない印象があっただけに、疑ってかかればそうも見えるよなーと。
展開的には、他にも警察が最初にやってきた時点でいきなり椅子が動く現場を目撃してすぐ教会に連絡を取る、
これも珍しいですし、時期的にクリスマスというのもまた珍しいというか、修道女なのも含めて尽く反キリスト的。

▼相変わらず巧みな演出
ホラー映画の場合、ただ単にお約束の「音がする→そちらを見る→ゆっくり近づく→いきなり何かが出る」
という非常に王道の展開と演出をするだけでも怖かったり楽しめたりしますし、逆にこの「ゆっくり近づく」に
留まって何も起きないというパターン、基本的にはこのどちらかを入れてくるわけですけど、この辺りは流石に
何度もホラー映画を手がけているジェームズ・ワンだけあって、とにかく見せ方も非常に上手かったなーと。
個人的に特に良いと思ったのは本編が始まる前の、むしろ冒頭で描かれたアミティヴィルの事件でした。
ロレインが犯人の当時の行動を再現というか、そうやっている時に鏡のほうには犯人である男の姿が映る演出。
むしろ吸血鬼映画なんかで基本になる演出ですけど、これが思わぬ良さを出していたなと思いました。
同時に、ショットガンをリロードして発砲し、寝ている家族を射殺した際、撃った直後に、いわゆる次のコマでは
既に死亡した映像に切り替わっている、といったこれらの演出が非常に良かったです。
過去の出来事をロレインが追体験している、という「結果だけを確認する」感じが表現されていましたし、
いきなり射殺体の映像に切り替わって血も飛び散っているので、異様な無常さも表現されていて良かったなと。

▼前作よりも感情移入の度合いが凄い
今回も実話をベースにしているのは同じなので、となると主人公夫妻がどういった人物かを描写するのに割く
時間が必要なくなり、133分というホラー映画にしては長い尺が功を奏したのかもしれませんが、前作に比べて
各々非常にキャラが立っていて個別のエピソードも色々と用意されていて、とにかくキャラが立っていた印象。
エドとロレインの主人公夫妻は前作より非常に良かったですし、今回のメインであるジャネットは特に良く。
パンフレットにも感情移入の旨に関する記述がありましたが、確かにホラー映画を見ていて…それもシリーズ物で
既にキャラクターに愛着があるとか、単純にキャラが好きとか、俳優が好きとか、そういう理由以外で初めて
ホラー映画を見ていて「誰にも死んでほしくない」と思いながら最後まで見ていたので、見終わって改めて思うと、
ホント感情移入の度合いが凄い作りになっていたなーと、特にエドは死亡フラグが立ちすぎていただけに怖く。
勿論、良いばかりではなく、欲を言えばジャネット以外の姉弟にももう少しスポットが当たればなという気も。
特に長男なんかは恐ろしい程に影が薄くて勿体無かったですし、ジャネットが中盤で語っていた学校でのイジメ、
この辺りの描写があれば尚良かったかなという気もしました。
実際は陰湿な感じになるでしょうし、正直見ていて辛い展開なので嫌な気持ちにもなるでしょうが、あったほうが
完成度や感情移入という点では更に度合いが増すと思い…ただ実話なのでジャネット本人への配慮で難しくも。

▼ジャネット役のマディソン・ウルフが素晴らしい
悪魔憑き展開の場合、古くはエクソシストに代表されるように、往々にして10才前後の非常に若い少女が
突如悪魔に取り憑かれる、或いは何かしらの要因で魅入られてしまい憑依した悪魔が少女を通じて顔を現す、
というのがお約束ですが、この映画もご多分に漏れずジャネットがターゲットとして選ばれ言葉を発する展開。
極端に言ってしまえば、やっている事自体は前述のエクソシスト同様、ジャネットが普段は自分の言葉と感情で
行動しているのに、時折悪魔がジャネットを乗っ取り邪悪な表情や言葉を発する、ただそれだけなんですが、
とにかくこのジャネット役のマディソン・ウルフがあまりにも素晴らしかったなーと。
言わば今回の主役なわけなので、これは意図的な事だと思いますが、この4姉妹弟の中で一番ビジュアルも
映える顔をしていて、非常に顔が白くかわいらしいのに綺麗な面持ちで、その一方で類稀なる演技力を発揮して
憑依時の笑い方や睨みつけるような凶悪な表情など、演技なんですが正に本物としか思えない恐ろしい迫力。
どうしてもこの手のホラー映画で人気を博した子役となると、最近で言えばエスターのイザベル・ファーマンに
代表されるように、デビューだったり名を馳せた作品のインパクトと完成度が凄すぎて以降はコレといった
作品に恵まれずハマり役にも出会えず、という事が多いのでそういう意味では心配ですが、かわいらしい表情が
特徴的なマディソン・ウルフだったので、今後は色んなジャンルの映画で見てみたいなと思えました。

▼冒頭のインパクトは流石に前作が上
個人的に前作と今作を比べた場合、良い意味で古き良き王道のみで構成されていた前作は正直そこまでは
楽しめなかったものの、唯一前作のほうが今作を遥かに上回っているなと感じたのが冒頭の部分でした。
共に、どちらも本編開始前に夫妻が手がけた別の事件が描かれていたわけですが、今作は就寝中の一家を
ショットガンで銃殺してまわるという非常に凄惨なアミティヴィルの事件、これはこれで強烈でした。
ですが、一方の前作はというといきなり強烈な面構えで誰がどう見ても100%呪われてるとしか思えない
アナベル人形の超アップから始まったので、こればかりはもうどんなホラー映画でも既に勝てない幕開け。
単純な事件内容としては今回のほうが凶悪度や事件のレベルは上ですが、映像的なインパクトは流石に
アナベル人形が凄すぎたので、前作のほうが勝っているなと唯一感じたのがこの冒頭の部分でした。

▼パンフレット雑感
720円、全22P、表紙と裏表紙も含めると24P、表紙はポスター画像と同じものを使用。
内容はイントロダクション、簡単なストーリー紹介、ジャネット役のマディソン・ウルフも含めた主要キャストの
インタビューと簡単な経歴紹介、その他のメインキャラの経歴紹介、監督ジェームズ・ワンのインタビューと
主要スタッフも含めた経歴紹介、プロダクションノート、現実に起きたエンフィールド事件の簡単な紹介と解説、
前作死霊館とスピンオフで映画化されたアナベルの簡単な紹介、本編映像のスチール写真、撮影中の一コマや
休憩中のキャストやスタッフのスチール写真、現地人ではなく日本人3名によるコラムの寄稿。
他に特徴的な点としては、全体的にデザインが秀逸だなと思いました、当然ページ上には文章が掲載され、
バックには本編のスチール写真等が使われているものの、この絵の使い方や若干くもった感じのエフェクトなど、
パンフレット自体もホラー映画的な仕上がりで非常に良かったです、良い意味で紙面をも利用している感じ。

▼感想まとめ
このブログに書いた感想としてはロケーションだったり演出だったり、そういった感想しか書いていないですが、
本編も勿論非常に楽しませて頂きました、最初は嫌な側面が強調して描かれていた母親ペギーが、当然ながら
ジャネットが本気で悪霊に取り憑かれていると分かって以降は我が子を心配する様が可哀想なぐらい強く
描かれていましたし、パンフレットのほうでベラ・ファーミガがコメントしていたように、特に今回は様々な
キャラクターに対して感情移入しやすいというか、実話がベースになっているという事を抜きにしてもホントに
見ていて応援したくなるぐらい奮闘しているので、没入感がとにかく凄かったです。
本編133分というホラー映画にしては珍しい長尺にも関わらず全く長いとは感じませんでしたし、むしろ133分も
あるのに「でも出来ればこういう部分がもっと見たかったな」と欲張るぐらい他にも描いてほしい展開が
あったりと、ホラー映画という以上に、映画として非常に完成度の高い仕上がりだったなと思いました。

今回特に良かったのは中盤でエドがギターを弾いていたシーンでしょうか。
エルビスのモノマネをしながら文字通り弾き語りをしていたわけですが、声といい、途中の掛け声といい、
エド本人もジャネット達を笑わせる為に敢えてああいう事をしたんでしょうけど、観客視点で見てもひたすら
笑える展開になっていたので、これがホント良かったなーと、ホラーを見ていて本気で笑えるシーンがあるという。
そういった笑えるシーンもあり、かと思えば前述のように今作ではポルターガイスト現象に関して自作自演では、
と疑う展開も用意されていたり、長尺だからこそ可能な様々な展開が用意されていて非常に良かったです。
日本と違って、どうしてもキリスト教圏だと悪魔だったり神の存在というのは当然根付いているものの、
すぐに誰もが信じるわけではなく、今回のように異を唱える人物が現れて最後まで信じない、というのも良く。

悪魔憑きの映画で有名な例を上げれば、やっぱりエクソシストやエミリー・ローズが代表的だと思うんですが、
そういった悪魔憑き映画の中で、個人的にこの映画はトップレベルに面白かったなという印象です。
誰しも個人的な好き嫌いだったり、先駆者として公開されたエクソシストに敬意を表する気持ちはあるものの、
見ていて面白かったり楽しかった、登場人物に感情移入した、等の観点から言えばこの映画が個人的には一番。
エクソシストでリーガン役を演じたリンダ・ブレアも素晴らしい怪演でしたが、それでも個人的には今回の
ジャネット役を演じたマディソン・ウルフのほうが色んな意味で凄みを感じたので、そこも決め手というか。
作品としては、今回はジェームズ・ワン恒例の「よくこんなデザインの人形考えたな」の新人形こそ出ないものの、
キービジュアルに描かれている悪魔の象徴になった修道女のデザインが秀逸でしたし、異様な雰囲気も抜群。
などと油断していたら最後の最後に保管されているアナベル人形が映って怖いより笑わされるというオチ。
ホラー映画、並びにジェームズ・ワン映画としては珍しく完全ハッピーエンドでしたが、後味の良さがむしろ良く。

2016-07-15 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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