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ゲームや海外ドラマの感想を中心に色んな話題雑談を書いてます、ネタバレ有りです。

トモダチゲーム 劇場版



トモダチゲーム 劇場版 [Blu-ray]

監督:永江 二朗
出演:吉沢 亮
価格:¥4,145 (2017.10.16時点)
時間:98分

発売日:2017.08.23
NetFlixで視聴、原作未読、全4話のドラマ版に引き続き描かれている2番目のゲーム陰口スゴロク編。
ゲーム内容とは裏腹に、今回は舞台が日中の屋上で晴天という明るい舞台だったので、コックリさんゲームの
閉鎖空間全開の雰囲気とは違い多少明るさというか、映像的に重さを感じないのが印象的でした。
どうしてもこの手の作風の作品は画作り自体が重たくなりがちなのに、内容とは違って妙に明るいという。
内容の方は劇場版という程の派手な何かがあったわけではなく、むしろ友一のキャラの良さが光りまくる、
という感じでしたけど、約1時間半という尺も手伝ってテンポ良く最後まで描かれていたなという印象。

▼陰口スゴロク
個人的には最初のコックリさんゲームのほうが面白いと思えたので、この陰口スゴロクは演出的にその後の
展開だったり友一による仕掛けが分かりやすく描写されすぎていて、そういう意味では少し残念だったものの、
この手のデスゲームのお約束になっている「実は全世界にネット中継されている」で、陰口の秘密に関しては
視聴者が気に入った順位で進むマス目が決定される、という少なからず不確定要素のある設定は面白いなーと。
結果的に皆をトモダチゲームへと強制的に参加させた天智以外は陰口を自主的には書かなかったわけなので、
という事は最初のコックリさんゲームでも恐らく天智以外は全員借金半額を選んでいないのではないか、
の可能性も高い気がするんですが、仮に誰かしらが陰口を書きまくった場合。
当然天智にも出せる沢良宜のネタに限界はあるので、万が一視聴者が他の人物の暴露を良しとした場合、
自分が想定したのと違って沢良宜をトップ通過させれないかもしれない、という可能性が発生する不確定要素の
強いシステムになっているのは面白いなと思いました、幸か不幸かそんな展開にはならなかったものの。

▼運営側が設定した仕組みは面白い
全員が何も書かなければ全員1マスずつ進んで全員でゴールして最終ゲームに突入出来る。
ただし、マス目に応じてイベントが発生するので、場合によってはマイナスのイベントばかりだと最終的に
600万のマイナスが最低でも加算される可能性がある、だから裏切ってでも誰かを単独ゴールさせなければ、
という心理が働くゲームデザインにしているのは面白いなと思いました。
前述のように、実際には天智以外は友一の作戦による意図的な暴露以外の陰口を書くような事は誰もせずに
最後まで切り抜けたので、そういう意味では友情が崩壊せずに進めていけていたわけですが、現実的には
天智が沢良宜の陰口を書いたように、誰か一人が裏切ると雪崩式に他のメンバーも書きかねない事を考えると、
友情が崩壊するかどうかは別にして、運営側が意図した方向に持っていきやすいシステムなのは面白いなと。

▼心木がキャラ立ちまくっていて最高
過去の展開は中々重たくて可哀想でしたが、実は主人公の友一の事が好きで、でも沢良宜に対しても友情を
感じているので、これはもぅお約束のヒロインの親友ポジションなので想いが報われる事は決して無いだろう、
という悲惨な立ち位置なものの、どうやら沢良宜が整形だと判明した時に「志保ちゃん、整形だったんだ^^」
の邪悪な微笑みといい、沢良宜は男子に人気があって皆が皆好きになってくれていいよな、と妬むレベルの
表情でダークサイドまっしぐらの雰囲気を見せてくれたり、積極的に発言していくタイプのキャラではなく
大人しいタイプなのでそこまで目立った出番は無かったものの、展開の関係上、どうしても沢良宜がターゲットで
狙われつつ、でも一応王道ヒロイン的設定の関係上そこまで好感度を保てない沢良宜とは違い、色々黒い部分も
見せてくれた心木はキャラ的に光っていたので個人的には非常に良かったなと。

▼実は問題があるらしい沢良宜さん
天智によると沢良宜に対して強い憎悪があるようなので、恐らく本人が意識しているかどうかは別にして
過去に問題のある行動を取ってしまっていたらしいようですが、今回の劇場版だけでも気になる部分が幾つか。
気になるという表現はふさわしく無いかもしれませんが、スペシャルチャンスの際に四部が立候補したものの、
本来なら性格的にもマナブが提案したように自己犠牲を発揮して「いやいやここは私にしてくれて構わない」
と言えたのに一切そんな言動を見せなかった辺りが、この書き方は流石に失礼なものの、それでもやや印象が
よろしくないですし、意図的な描写や展開だと思うんですが、どうしても信じにくい言動のキャラというか、
リアルな言動を取っているせいで「何か裏があるんじゃ」「結局自分だけ損をするのは嫌なんじゃ」という風に
やっかまれてしまいやすい言動が妙に多いのが気になるというか。
例えば前述のスペシャルチャンスで名乗りを挙げないのなんてむしろ当然の事なんですが、キャラ設定上、
沢良宜が率先して名乗らないというのは「まぁ自分だけ損をするから沢良宜と言えどそれはイヤだよな」と
取られてしまうというか、ヒロインだったりの扱いの場合、立ち位置の問題で損をしやすいキャラだなと。

▼感想まとめ
運営側の描写は別に無くても良かったかな、という気がしないでもなかったですが、全体的に安定した作り。
コックリさんゲームの時以上に友一がブラックさを全面に押し出してきているのが何とも心地良かったですが、
展開的には神罰を利用して友一が裏切り者を一本釣りする展開、更にその神罰を前もって仕掛けておいて
最後は自分だけが最終ゲームに行くつもりだったという展開、申し訳無さもあり一緒に行動する天智、という
王道展開が多かったので、展開的な面白さという点では個人的にコックリさんゲームに劣ったものの、
展開のテンポの良さや各キャラに配分された出番や見せ場の均等さも含めて良い仕上がりだったなーと。
この手のデスゲームだったり閉鎖空間の展開は「あれ、でもこれって…」と突っ込みだしたら色々破綻していて
キリが無いのでアレですが、ふと気になったのはボックス内のボールペンでしょうか。
用紙を使って個別に友一がアクションを取る、というのは友一の沢良宜による肩タッチの描写が流石にちょっと
目立ちすぎていて勿体なかったものの、むしろここでボールペンを破棄してしまう、の場合はどうだったのか。
運営側がその都度補充する可能性はあるものの、別にボールペンの破棄は駄目だというルールもなければ、
天智以外は白紙での提出を守っていたので、試しにボールペンを破棄していれば全員でゴール出来た気が。
とりあえず、今回は友一がコックリさんゲームに引き続き良いキャラをしていたのと、最後の最後でいきなり
ぶち込んできて全員を唖然とさせてくれた天智の「俺が本当に好きだったのは友一だったんだ」が最高。

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2018-10-16 : 映画 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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トモダチゲーム



トモダチゲーム [Blu-ray]

監督:永江 二朗
出演:吉沢 亮
価格:¥4,000 (2018.10.14時点)
話数:全4話

発売日:2017.05.24
NetFlixで視聴、原作未読、ソリッド・シチュエーション・スリラーやデスゲームは大好きです。
ありがたい事に興味がある状態の時にNetFlixが劇場版も含めて配信を開始してくれたので見る意欲も俄然
増して今回見させて頂いたんですが、まず見る前の情報として「全4話かよ」というのが驚きでした。
しかも完結するわけではなく、普通に続いている状態で終わるというのが、むしろこの場合潔いというか。
どうしてもこの手の作品は似通った展開や、作品の数が多すぎて「あの作品に似ている」という風に色々
言われやすい傾向にあるのは仕方ないと思うんですが、個人的には思っていた以上に面白い内容だったなーと。

▼設定自体はひたすら王道
トゲのある言い方をしてしまえば、一時期日本の漫画や小説で大量生産されていたようなデスゲーム系で、
ソリッド・シチュエーション・スリラーの王道でもある設定の、気付いたらよく分からない場所で閉鎖空間、
見知らぬ者同士、或いは友人かクラスメイトのよく見知った者同士が集められている、マスコット的な感じの
かわいらしいキャラクターが現れて顔に似合わぬ怖い事を言ってくる、命を落とす可能性のあるゲームを
強制的にさせられる事になる、この命を落とすのみ無いverという感じで、メインキャラの設定も基本は王道。
本編開始前の導入に当たる部分としても、恒例の給食費盗難ならぬ修学旅行費盗難という展開が妙に
笑えてしまったんですが、とにかく導入に当たる部分は良くも悪くも全てがテンプレ化されてる設定という印象。
ただこの手の作品の場合、同じく漫画を原作とする作品で言えばライアーゲームに代表されるように、肝心の
ゲーム内容がメインなので、ソレさえ面白ければ問題は無いので、そこは非常に良かったなと思いました。
この作品の場合、正直に言うと決して良いとはいえ言えないレベルの演技力や、マナブが出てきた時を中心に
わざわざ5人全員の顔をアップで映して驚きの表情を見せる、のようにテンポの悪い構成やカメラワークが
原因で、導入に当たる初回エピソードが一番微妙なので、吸引力の弱さもあって最初が厳しい気もしますが。

▼裏切り者がやたらと得をする設定
序盤で明かされる設定が全てではないと思うので、最終的には裏切り者が結局一番損をする、という裏設定が
まだ隠されている可能性もあるものの、皆で協力してクリアを目指すのが基本となるデスゲームとは裏腹に、
トモダチゲームという名称ではありながらも、友達を裏切って借金を誰かに押し付けようとしている、挙げ句に
借金半額のルールがあったように、特定の誰かが損をする可能性があると分かっていながらソレを無視して
自分の借金だけ半分にしよう、という、完全に自分中心の行動を取る人物が出る設計なのが面白かったです。
誰しも友達とは言いながらも、借金を押し付けるような事は普通なら無いでしょうけど、それでもお互い欠点も
当然分かっているわけで、その友達と協力すればクリアは簡単だと予め確実に教えてもらえてるのに、それでも
友達を無視して自分だけを優先して行動する傾向に走るゲーム設計が面白いなーと。
またエグイのが、友一が自身の出題時に気付いたように、最初のコックリさんゲームだと自分が出題者側に
なった際に借金半額のルールが判明して、その時点で「こいつら友達を騙して自分の借金だけ半額に」
と最終出題者以外の全員が分かるので、最終出題者以外は「友達を裏切りやがった」が分かるのにやるという。
話は戻って裏切り者が得をする設定に関してもエグイよなーと。
2000万の借金があり参加費として200万を運営側に提出しているので修学旅行費の窃盗はその為では、という
話が出ていましたが、参加する場合全員が400万ずつの借金、ゲームオーバーの場合は400万ずつ背負った
状態で終わるわけなので、ゲームクリア出来れば借金額は減り、皆を裏切ってゲームに参加させた人物は、
2000万の借金が全員400万ずつで自身の借金はある意味1600万自動的に減る、というこのありえない展開。
最後の問題が「これからも友達でいられるかどうか」に関する内容だったのがまた面白かったですけど、
最終的にどういう決着を見せるのかが気になる最初のゲームで非常に面白かったです。

▼裏切り者は誰なのか?
この場合、皆をこのゲームに売った人物、コックリさんゲームで沢良宜に借金を押し付けようとした人物、
が必ずしも同一人物とは限らないと思いますし、沢良宜に借金を、に関しては友一がそう思っているだけで、
実は友一より前に借金を半額にした3人はそこまで深く考えずに行動していた可能性もあるものの、とりあえず
そこまで深い事を考えずに、このコックリさんゲームで沢良宜に借金を押し付けようとした人物が居た場合、
それは誰なのか、をそれっぽい描写から判断して考えてみようと思います。
実際にゲームが始まって、借金半額を見てから決めた可能性もあるので絶対に無いとまでは言えませんが、
天智は無い可能性のほうが高いでしょうか、残念ながら借金が倍増されていたものの沢良宜が「こ…!」とつい
声を出しそうになった時、両隣だった友一と天智は咄嗟に沢良宜の口を塞いだので、咄嗟に反応して行動した、
という事を抜きにして考えても天智の可能性は低いのかなーと、まだ描写が少なさすぎて何とも言えませんが。
王道展開で言えば四部と心木のどちらかで、皆をゲームに参加させたのは沢良宜、という感じだと思うんですが、
特に四部の場合、最初の出題者で、恐らく借金半額の為に自ら「いいえ」を選択。
二人目の心木、三人目の天智、この二人に関しては、まだ分かりませんが実は友一同様友達を信じていて
ゲームクリアの為に「はい」を選んだのに最初の出題者の四部がずっと一人で「いいえ」を選び続けていた、
という可能性も正直あると思うので、消去法で言えば四部が一番怪しい…のかなーと。
心木も本編開始前に友一に対して露骨に恋愛感情としか思えない側面を見せているので、沢良宜が友一を
想って修学旅行費盗難の件を持ち出さなかったのと同様、友一優先で行動して、の可能性もありますが。
というわけで、流石にまだ情報が少なすぎて判断出来ないものの、コックリさんゲームの裏切り者に関しては
四部が怪しいのではないかなー、という印象でした。

▼全4話を見終えての感想
個人的にソリッド・シチュエーション・スリラーやデスゲームは好きなので、この作品もタイトルだけは
知っているけど、というよくあるケースで未見のままだったんですが、人狼ゲーム ロストエデンにルナ役で
出演されていた上野優華さんが出演されている、という事だったので、その程度の興味でなんとなく見よう、
と思って見てみたところ、思っていた以上に面白くて良かったです。
前述のように、初回エピソードに関しては正直拙い演技力も手伝って「うーん…」という感じだったんですが、
肝心のゲーム内容が結構面白くて、色々「ああじゃないのか、こうじゃないのか」と深読みも出来る内容で楽しく、
1話30分の全4話という非常に見やすい構成だった事もあり一気に最後まで見させて頂きました。
まだ見ていないのでアレですが、確かにこの手のゲーム展開で進む作風の場合、ドラマで毎週考察しながら
見るのも楽しいものの、劇場版の形で一つのゲームを一気に描く、というやり方も良いと思うので、導入として
最初のゲームを数話TVで放送、その後は劇場版で、という形も結構良いのではないかと思いました。
毎週TV放送してくれるほうがお金を出さずに見れるので、そういう意味ではまぁアレかもしれませんが。
ゲーム以外の部分でも、主人公の友一が中々良いキャラをしていて、沢良宜を守る兼裏切り者をあぶり出す為に
ルール違反をして声を出す展開は熱かったですし、何より友一役の吉沢亮さんが恐ろしく美形で綺麗な顔立ちを
しているので、単純に友一が色々考えて非情な側面も見せつつ鋭い表情のアップ、とかも映像的に映えていて
非常に良かったです、当たり前なもののこの手の作品で主人公に魅力があるのはやっぱり良い事だなと。
今後どういう展開になるのか分かりませんが、死者が出ない設定なのも面白いですし、劇場版も見てみようと。
2018-10-14 : 国内ドラマ : コメント : 0 : トラックバック : 0
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アイアン・フィスト Season2



アイアン・フィスト Season2

プロデューサー:レイヴン・メッツナー
出演:フィン・ジョーンズ
話数:全10話
全米配信日:2018.09.07
日本配信日:2018.09.07
NetFlixオリジナル、マーベルのアイアン・フィストのS2、何気に超期待していた新シーズン。
他のマーベルドラマとは違い話数が全13話から全10話になった事で、むしろ多少見やすさも増した印象のある
本作ですけど、デアデビルやジェシカ・ジョーンズなどと違って、展開の途中で終わっているエピソードや
続きが非常に気になるところで終わっているエピソードがあったりと、次のS3を見据えての展開が多く、
面白いと感じる部分もありつつ、従来のTV放送のドラマのように「この状況で1年待たされるのか…」という
若干の不満もあったものの、今回は概ね安定感の強い内容というか、S1よりは受け入れられやすい印象。
S1に比べてアクションシーンが大分良くなった事で見栄えも良くなりましたし、直前に配信されている
ルーク・ケイジのS2と違ってダニーとコリーンはお互いの関係性が安定しているので、その辺りの安心感も。

▼対話での解決を目指す展開が良い
最終的にダヴォスとは戦闘での勝利に終わりましたし、ダニーはジョイと対話での関係修復は行えず、
ウォーカーとも残念ながら対話での解決とはならなかったものの、ダニー自身がS1とは違い冷静な大人になり、
コリーンは戦う事をやめて極力話し合いでの解決を模索していた事もあり、単純なアクションシーンの数は
S1より遥かに増えたものの、それでも全体的に「なんとか話し合いで解決を」の展開だったのは面白かったです。
序盤でわだかまりのあるダニーとジョイやダヴォスが食事会という名目で集まって少なからず不満を実際に
口にして相手に伝える、という展開は中々珍しい流れで面白かったですし、この際、当然お互い何かしら相手に
不満や不信感はあっても、それでも根底にあるのは相手に本来持っている信頼や情なので、一触即発的な
空気になろうとダニーとダヴォスはテラスで普通に会話したり、こういうのはホント良かったです。
ジョイのほうもダニーに「貴方を傷つけたかった」と涙を見せながら複雑な感情で語るシーン、これなんかも、
ジョイは純粋な敵で悪役、というわけではなく展開の関係上敵側になっていただけなので、食事会のシーンも
含めて、こういう大事な展開をきちんと会話で見せて解決に向かう脚本は個人的に嬉しかったというか。
今後の展開がどうなるかは別にして、三合会とは最終的にダヴォスへの驚異という共通項があったとはいえ、
それでも話し合いで解決する事に成功した例として終えれたので、他作品との違いが出ていて良い感じでした。

▼ダヴォスが非常に良いキャラをしていた
S1では終盤で登場する主人公と同レベルの便利な助っ人、的な印象が強かったダヴォスでしたけど、今回は
S2のヴィランとして描かれている事もあり、S1とは違ってしっかり尺を取ってダヴォスのキャラ自体が描かれ、
極端に言ってしまうと、力を手にして暴走してしまったダニー、というある意味お約束の扱いではあったものの、
本人もジョイに語っていたように、真面目すぎる部分があって、自分の役割と役目を果たす為に街の浄化を開始。
ただ真面目すぎるのと、自分の考えは間違いない、という思い込みが強すぎるせいで他人の考えを受け付けず
善人すら手にかけてしまい、しかもアイアン・フィストの力がある事でソレを行使してしまう、という。
キャラ自体は前述のように、S2序盤のダニーが拳に頼りすぎてコリーンに指摘されていたように、その時点で
踏みとどまれなかった場合はこうなってしまう、という結果がダヴォスという感じでしたけど、ダヴォス自体が
純粋に悪の一掃を目的に掲げて行動していて、器を入手する際に汚い手は使いたくないという真面目っぷり、
ジョイを殺せたのに殺さず突き落とすだけにした事も含め、王道は王道なものの、非常に良いキャラでした。
一線を超えたという事でダニーの膝を破壊はしたものの、それでも最後の戦いまではダニーを殺す選択を
せずに行動していたり、デアデビルにおけるフィスク同様今後の再登場もあると思うんですが、良いヴィラン。

▼相変わらずコリーンが異常な強さ
S1やディフェンダーズでもそうでしたけど、今回のS2なんかは既にコリーンが道場を畳んで恐らく鍛錬もせず。
そんな状況で、ダニーがダヴォスの攻撃で足を負傷し、完治したわけではないので相当立ち回りで不利だったり、
ダニーは当然コリーン相手に本気では出来ないでしょうから無意識に手加減している部分もあったでしょうけど、
それでも組手でコリーンがダニーを圧倒するとか、お互い全力で本気ならダニーのほうが強いでしょうけど、
力の設定がダニー≧コリーン、のレベルなんじゃないかと思えるぐらいコリーンが強い設定で描かれてる印象。
特に9話のコミュニティセンターでBBの仲間と1対7で戦って、相手がまだ年代的に子供とはいえ全員武装済み、
コリーンを殺す気で動いてきてるのにコリーン完全勝利で終了とか流石に強すぎにも程がある気が。
更に、これまたダニー同様手負いの状態だったとはいえダヴォスとのタイマンでほぼ互角の戦いを繰り広げ、
これは展開的にも予想していませんでしたがコリーンがアイアン・フィストの拳を継承するというまさかの結末。
実際S2ではダニーよりコリーンのほうが精神的にも安定しているでしょうから、そういう意味でも大きすぎる
力をダニーが持つよりも冷静なコリーンが、継承するというか預かるというか、そういった形にしたほうが色々
安全だとは思いますが、ただでさえ強すぎるコリーンがアイアン・フィストの力まで会得する展開は衝撃でした。
個人的にコリーンはウォードと並んで好きなキャラなので、S3で見せ場の増えそうなこの展開は嬉しいものの、
流石にダニーを圧倒するレベルで強くなりすぎているような気がするので、その辺りの兼ね合いが心配というか。

▼序盤の展開がややまどろっこしい
序盤はS1やディフェンダーズの後日談というか、後処理の展開という感じで盛り上がりにくいのが残念でした。
ヤミノテが消滅した事でギャングが縄張り争いを開始、というのは自然な流れだと思うものの、それらの鎮圧や
抗争回避にダニー達が奔走する展開がメインなので、盛り上がりにくいというのと、何よりNetFlixにおける
マーベル作品の場合大半の人が続けて順番に見ると思うので、対ギャングの展開だとルーク・ケイジと基本的な
流れ自体が同じなので飽きが生じやすいというか、別に悪いわけではないものの食指が動きづらいというか。
既にS1で各キャラの紹介を終えているので、ルーク・ケイジのS2に登場した時同様ダニーが非常に落ち着いて、
ジョイとの最初の話し合いの際も激昂するウォードをなだめるというまさかの役回りに驚かされたり、冒頭自体が
マットの意思を引き継いでダニーが夜の見回りをしていたりと、そういう要所要所の面白さこそあれど、
単純な物語的な展開という面では序盤の吸引力が個人的にはあまりに弱いと感じたので勿体なかったなーと。

▼S2 全10話を見終えての感想
話数を確認せずに見始めたので他作品同様13話構成だと思っていたところ、10話で終了したのでまずソコに
一番驚かされてしまったんですが、このS2は良くも悪くも安定した内容だったのではないかなーと。
S1の評価が決して芳しくない本作ですけど、S1を40~50点ぐらいに感じている人も、面白いと感じた人も、
誰に聞いても今回のS2は70点ぐらいの安定した、悪く言えば無難ですけど、とにかく安定した内容でした。
相変わらずウォードのキャラは良かったですし、S1終盤で不穏な雰囲気を見せていたジョイとダヴォスの問題も
今回で決着を見せて、新キャラとして登場した多重人格のウォーカーは中々良いキャラをしていたので今後の
登場にも期待が持てますし、ゲスト出演ではなくレギュラーで登場したミスティも嬉しいサプライズで良かったり。
特に良かったのはアクションシーンのレベルが上がった事でしょうか。
S1は正直「うーん…」なレベルだったものの、今回のS2はカメラワークが良くなった事もあってか、全体的に
キレや勢いがS1より増していたので、単純にアクションシーンが色々カッコ良く仕上がっていて良かったです。
物語としてはマットやダニーの意思を引き継いでか今度は自分が夜の見回りをしているコリーンの今後や、
ウォードと共に日本へ渡ったダニーの展開が面白そうなので、S3には非常に期待したいです。

2018-09-26 : NetFlix : コメント : 0 : トラックバック : 0
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最悪なる災厄人間に捧ぐ



最悪なる災厄人間に捧ぐ

メーカー:ケムコ
機種:PlayStation 4
参考価格:¥3,600
価格:¥2,920 (2018.09.02時点)
発売日:2018.08.23


約16時間半でクリア、プラチナトロフィー獲得時点のプレイ時間は約19時間、PS4版をプレイ。
フルボイスではあるものの、音声はONにしつつも自分のスピードで読み進めてのプレイ時間なので、
恐らくフルボイスで音声を全て聞いてプレイすればレイジングループ同様、大体33時間前後かなという印象。
このゲームに関してはレイジングループが非常に面白かったので、その多大なる面白さに期待して今回は
内容度外視で購入を決めていた、という方も多かったのではないかと思いますが、個人的にも全く同じで、
とにかく新作が発売されれば購入しよう、と決めていたので正に待望の新作でした。
内容的には非常に変わった作品で、8才から始まって長いスパンで年月が経過する関係上些細な変化も丁寧に
描かれていて面白いですし、作風で言えばそれこそkeyの作品が好きな人なら特にハマるんじゃないかなーと。

▼良い点
・全体的なシステムは良い意味でレイジングループを踏襲しているので不満も無く問題無し。
・レイジングループの時と違い制作費に余裕があるからか、今回は声優の演技力が安定している。
・個人的に気になっていた「~なんです?」という独特の言い回しが今回は無くなった。
・クリア後のエクストラエピソードで豹馬とクロのイメージや印象が更に変化する設計なのが面白い。
・特に災厄が発生してしまう理由や展開も含め、エクストラエピソードの完成度は随一。

▼悪い点
・レイジングループ同様、セリフを送った際に次の文章がセリフでなければ音声が流れっぱなし。
・選択肢によって物語が様々に分岐、という設計ではないのでゲーム性という点では皆無。
・その関係で、話の面白さとは別に、物語の構成上中盤~終盤までがやや冗長になってしまう。

▼トロフィー
初回プレイで取得したトロフィーは81%、28/31。
「災厄世界へようこそ」「誰かの囁き」「扉のカギは」「不意の再帰」「希望潰えて」「亡者の覚悟」「ふーの追憶」
「キナの望み」「みーの出立」「なつの飛翔」「にゅーの声」「蘇るセカイ」「過酷な世界に捧ぐ」
「空虚な希望に捧ぐ」「不在の片翼に捧ぐ」「永遠の平穏に捧ぐ」「醜悪な幽霊に捧ぐ」「親愛なる透明人間に捧ぐ」
「ジャージのクロとの対話」「髪を縛っていないクロとの対話」「Tシャツのクロとの対話」「浴衣のクロとの対話」
「へそ出しクロとの対話」「スーツのクロとの対話」「パーカーのクロとの対話」「メイドのクロとの対話」
「甘ロリ服のクロとの対話」

ADVの場合は中々トロフィーの配置も難しいと思うんですが、基本的にはゲームの進行に伴って取得、
バッドエンド、クリア後に開放されるモードでの取得、という感じで、良くも悪くも王道の印象。
面白かったのはバッドエンド1のトロフィーでしょうか、特定の選択肢を組み合わせた際にのみ行ける
特殊ルート、といった類の展開はよくありますけど、同じ選択肢を何度も選び続ける事で物語が進行、
その結果特殊なバッドエンドに突入、というのは中々珍しい展開だったので面白い試みだったなーと。



▼独特な設定で面白い
まず主人公とヒロインが透明人間、という時点で非常に変わっていて面白いですし、いわゆる本編開始前に、
退院した豹馬はクロのサポートを受けて、誰の姿も見えず聞こえない世界でなんとか日常生活を送り、
何故かクロが分裂して5人になるという展開が発生し、そんな中でも成長して小学校を卒業、中学校へ入学、
クロがつけている首輪を外す為に母親と向き合ったり、という、透明人間という変わった設定とは裏腹に、
物語自体は豹馬とクロがお互いを助け合いながら良い意味で何気ないありふれた毎日を過ごしていく、
というこのアンバランスが面白いなと思いました、前述のように非常にkeyの作品に近いニュアンスというか。
それでいて、実は主人公の豹馬は過去にイジメに遭って8才という幼い年齢なのに自殺を試みてしまった、
という重い過去があったり、その自殺が神隠しの扉を出現させる方法、急に訪れるクロへの謎の恐怖心や、
そこから来る唐突なクロの死と世界の崩壊、急に非日常的な展開へと切り替わるものの、これといった
違和感もなくスムーズに本編へと移行していたので、この辺りも面白く、同時に見事な物語運びでした。

▼塾でのイジメ描写がリアルすぎる
冗談抜きであまりにもリアルな描写と展開だったので、こればかりは流石にちょっと人によってはマジで
キツイのではないか、と思わされる展開で印象的でしたが、塾のイジメっ子達にも突っ込まれていたように、
あまりにも年齢にそぐわない大人びた喋り方で、元気で、はつらつな当時の豹馬。
そんな豹馬はイジメられていた同級生を見過ごせずイジメっ子達に声をかけてイジメられっ子を救出。
友達になって、その後もイジメをさせないようにしてきた、ここまではよくある話ですし王道の主人公的な
行動だったものの、塾の女生徒の一人が豹馬を好きらしい、という話になり、イジメっ子のリーダー格が
その子の事を好きだったらしくヤキモチで豹馬に嫉妬、豹馬は良い意味で8才の子供らしく「しるかよ」
と一蹴すると偶然その子が聞いていて泣き出してしまい、イジメっ子ではなく豹馬が集中的に叩かれる展開。
ここで豹馬が謝罪するのはまぁ仕方ないような気もするものの、翌日から一変して豹馬がイジメの対象になり、
以前助けたイジメられっ子の友達は自分がイジメられたくないからと豹馬を無視して、エスカレートした
イジメは机の中に汚物を入れて「臭い」と罵られたり、果てには命を断てという言葉まで投げかけられ、
当然8才当時の豹馬は追い詰められて、親に心配をかけたくないので「塾は楽しい」と嘘を吐いて、ふと
気付けばホームに入ってくる電車の光に導かれるように…という、ちょっとマジでエゲつない展開。
またキツイのが、その後に本編が始まって豹馬が学校へ戻ると、豹馬がイジメの対象になった時は無視を
決め込んだ元友達が「君が塾に来ないと僕がイジメられる」とかいうクソ以下の暴言を吐いてきて、
その後の世界では豹馬に常軌を逸したレベルで手紙やメールを送り続け、自殺するキッカケを作ったのは
全て豹馬が悪い、とまで言い出し、豹馬はその元友達の事まで自殺しないように救ってやらなければいけない、
とかいう、恐らく全プレイヤーが満場一致でこの元友達だけはひたすら苦しみ抜いて消えてくれ、
と願わずにはいられなかったのではないかと思いますが、とにかく一連のイジメ描写がヤバイレベルで秀逸。

▼クロの母親の扱いが物語的に面白かった
物語的には最終的に自殺して幽霊となった豹馬にまで「消滅を遅らせてまでする事がコレか」と嫌悪感を
顕にされていた程にひどすぎたクロの母親ですが、本編中、結局はクロが窒息死するという展開を迎えては
しまったものの、災厄でクロが死なない為に母親が監禁していた地下室に隔離すれば外的要因で死ぬ事は
無いのではないか、という展開があったり、ある瞬間を境にクロの母親に関する記憶が完全に消えてしまう、
その事から入院患者ABCも含めて消滅すると記憶が消えるのでは、と読み解くキッカケになっていたり、
何よりも最終的に豹馬とクロが出会わない世界で、クロが一人で生き抜くために結局家へ戻って、豹馬が
クロとコミュニケーションを取る為に使ったのがクロの母親を騙る事で、特定の日時がくれば母親の記憶が
消えるものの、自殺した豹馬が騙ったクロの母親の言動は母親らしくなかったので記憶が完全には
消え去らずクロ自身が違和感を抱き、そのおかげで自殺した豹馬がクロへの愛情を強く感じるようになったり、
クロの母親はとんでもない存在だったものの、そのクロの母親が物語の謎解きだったり自殺した豹馬の気持ちを
解消するのに一役買っていたりと、イジメられていた元友達と違い重要な存在だったのは面白い構成だったなと。



▼展開や幽霊の正体が読めてしまう残念さ
物語は最後まで面白く読ませて頂いたんですが、最初の豹馬が本当に死んで、次の世界の豹馬に主役としての
視点が移動する展開は面白かったですし、プレイヤーが「選択肢Aを選んだ場合」の結果を知っているのと同様、
記憶を持った状態で次の世界の豹馬に道を示す、という展開は非常に面白かったんですが、結局次の豹馬も
程なくして死ぬ事になる為、プレイヤー的には物語自体を楽しく読ませて頂けたとしても、展開的には、
つまりどうせこの5人の豹馬とクロは全員死んでそもそも一番最初にクロと出会わないところからやり直すのが
正規ルートになるんだろうな、と読めてしまうのが、構成的には少し残念だったかなと思いました。
物語は面白いもののラストへ至るまでの過程が読めてしまうので、驚きや意外性が和らいでしまうというか。
同様に幽霊の正体も、どういう理由でそこまで強く憎むようになったのか、という理由は別にして、最初の
豹馬が死後に、入院していた子供の豹馬、ABC、クロ、が病室で揃って、子供豹馬がクロに話している場面、
ここで「……何を言ってるんだ、コイツは」と感じた辺りから、ABCの誰か、イジメられていた元友達、
この辺りを幽霊と勘違いして進む展開になりつつも恐らく豹馬自身が幽霊なんだろうな、というのも読めるので、
前述の展開の読みやすさ同様、物語は面白く読ませて頂いたんですが、驚きや意外性が薄くなりがちというか。
まぁ、この手の平行世界やパラレルワールドが存在する設定の作品の場合、実は黒幕は自分だった、というのは
むしろ王道のオチだと思うので、そういう意味では驚きが薄いもクソもないんですが。

▼ゲーム的には勿体無い部分が多い
最後まで楽しく読ませて頂きましたし、流石に会心の一撃とも言えるレイジングループに比べると劣りつつも
十分に面白い作品ではあったものの、ゲームとしては正直ゲーム性が皆無だったのが勿体なかったなーと。
何度も戻っては色んな方法を試す、という展開なだけに、やろうと思えばいくらでも選択肢を増やしたり、
特定の選択肢の組み合わせでのみ発生する特殊な展開やバッドエンド、特殊な結末、の展開は十分に可能な
ゲームだったと思うので、そういう意味ではゲームとしては非常に勿体無かったなーと。
あまりに凝りすぎると複雑になってしまうものの、そもそものルート分岐自体が存在せず、いわゆる正しくない
選択肢を選んだ場合は即バッドエンド、という設計なので、シナリオの良し悪しとは別に、ゲームとして面白く
出来る要素はいくらでもあっただけに、言葉は悪いものの超長編小説でしかなかったのが勿体無いというか。
面白かったけど、ゲームとして評価するとゲーム性が皆無なので最終的な点数は低くなる、というか。
それこそ、せめて幽霊の正体に関しては…古いゲームで言えばかまいたちの夜の犯人入力画面のように、
最も大事な幽霊の正体に関してはプレイヤーが自発的に入力して正体を当てる、にしてほしかったかなーと。
ここで入力する人物次第で、バッドエンドにはなったとしても多種多様な簡易展開が可能だったりもするので。

▼クリア後の感想まとめ
物語としては非常に楽しく読ませて頂きましたし、最初にクロが死んでからの、本編が始まってからは面白くて
一気に最後までプレイさせて頂くぐらいハマったので、それだけに前述のようにゲームとしてはゲーム性が
無くて、選択肢によるルート分岐等も存在していなかったのが、この辺りが勿体無いなーと。
他に印象的だった点としては、このゲームの場合クロを好きになれるかどうか、がやはり重要でしょうか。
5人に分裂してからは、ここからは良くも悪くも分かりやすいキャラ付けの5人になるので、中には苦手な
タイプのキャラも居るかもしれないので、そうなるとやや厳しい部分も無いわけではないというか。
エクストラエピソードで判明するリーダークロのヤバさは流石に色々「うわぁ…」な感じでしたが、ここでまた
面白いのが、このエクストラをプレイする事で、そもそもリーダーのせいで余計ややこしくなっている部分、
リーダーのせいで自殺した豹馬が更に追い込まれた部分、そういう側面もあるのではないか、という事実が
浮き彫りになって、別の世界のクロではあるもののクロの一面である事には違いないわけなので、最後の最後で
クロに対する印象がややマイナスに傾く、というこの設計は面白いなと思いました。

逆に、エクストラで自殺した豹馬が自分が出会っていたはずのクロと接することで、全てに絶望していたのに
クロに対する愛情が芽生えてきて、最後の最後には「クロへの愛情」で生きている豹馬と気持ちが同調して
災厄が発生してしまい、災厄を止めてクロを救う為に自殺した豹馬が自分を投げ出してクロを救う、という
展開になっていたのは、これも王道ながらこの部分は非常に熱く、最後の最後で一気に評価が上がるという。
そんな感じで、終わり良ければ全て良しではないですけど、プレイ中は「ここが勿体無い」「あそこが」
という些細な不満もあるにはあったんですが、最後の最後で醜悪なリーダーのキャラを見せられて、
個人的には別に良くも悪くも思っていなかった自殺した豹馬の熱い一面を見せられた事で一気に盛り上がって、
という、とにかく最後の最後で一気に評価が更に底上げされる作品でした。
流石にレイジングループには及ばなかったものの、今回も面白い作品だったので次の新作も期待したいです。

2018-09-02 : PS4 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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運命の7秒



運命の7秒

プロデューサー:ヴィーナ・スード
出演:クレア=ホープ・アシティ
話数:全10話
全米配信日:2018.02.23
日本配信日:2018.02.23
NetFlixオリジナル、配信当時に予告を見た時は失礼ながらよくある犯罪捜査モノの、単発ではなくワンシーズン
全てを使った長編、という程度の印象しかなかったものの、配信当初から非常に高い評価を得ていたので、
よくある「気にはなっていたけど見るのを忘れていた」という作品、ようやく見終えての感想です、全10話。
重いという話は聞いていたんですが、10話できっちり完結していますし、個人的には意外だった逮捕後の裁判の
展開もそれなりの尺が用意されていて面白い流れだったり、現実はこんなもんなんだろうな、と思わされる
スカっとするわけではない展開運びや結末など、シリアスで見応えのある犯罪ドラマだったなーと。

▼冒頭の吸引力が凄い
男性がちゃんと前を見ずに電話をしながら運転をしていて、何かに接触してしまった音がし、外へ出て調べると
ボロボロになった自転車があり、どうやら誰かを轢いてしまったらしいという状況、すぐに誰かに電話をして、
警察がやってきたので通報して偉い…と思いきやどうやら男は警察の人間で、まず仲間の警官に電話した模様。
リーダーのディアンジェロが状況を確認したらどうやら被害者は既に亡くなっているようで、さぁどうするのか、
と思って見ていたらいきなり隠蔽工作をし始めて事故は無かった事にする、というまさかの幕開け。
場面は変わって、中高生ぐらいの女の子が弟を探すも見つからず、この子の弟が犠牲者か、と思わせておいて
公園で遊んでるのを発見、実際はこの女の子が探すのに協力していた教師の黒人女性の息子が実は被害者、
というこの一連の展開は上手いなと思いました、緊張感のある幕開けで一気に物語へ視聴者を引き込んで、
軽いフェイントを入れつつ本筋に入って、当然ヤブロンスキーとしても自責の念があるので、色々迂闊では
あるものの病室を訪れてブレントンを見舞いラトリスと鉢合わせしてしまったり、自首する考えを持っていたり、
どんなドラマでも初回は視聴者の心を掴む為に面白い展開やスピーディな展開が用意されているものの、
この作品に関しては初回の完成度が抜群に高いな、と思わされる仕上がりで非常に良かったです。
ただ、そこから4話の終盤、ナディーンが事情聴取をしている最中にディアンジェロが現れて一気に緊張感が、
の場面まではやや停滞した展開速度なので、この辺りが勿体ないなという印象も。

▼チームで行動する難しさ
一度オソリオが自供しようとしたり、終盤で仲間割れこそ発生はしたものの、最終的には誰も仲間を売ったり
裏切って一人だけ助かろうとしたり、という行動に出ず、一応形としてはチームが瓦解しても責任を押し付ける、
という意味での裏切り者は現れずに幕を閉じたものの、やっぱりこういう隠蔽工作は難しいですよね。
フィッシュがオソリオに「誰が運転してた?アンタじゃない。なんで庇う必要がある?」と言っていたように、
オソリオにしてみればディアンジェロとウィルコックスはチームで付き合いも長いので、多少の好き嫌いこそ
あったとしても結束の硬いチームの仲間なのに対して、ヤブロンスキーは新入りでまだよく知りもしない、
そんな奴の為に殺人の隠蔽工作を手伝って、最終的に自分が収監されるなんて事になったらそれこそ最悪。
ただ、もしここで真実を明かせば司法取引は受けれても、当然警察には居れなくなるでしょうから、
色々後々の事も考えると正直に自供して司法取引も受けづらいという、なんとも難しいジレンマというか。
チームの結束が固くて、ディアンジェロのようにリーダーの行動力がありすぎて全権を握るタイプの場合、
こういう時にややこしいですよね、行動に出づらく、でも逮捕は当然怖いので逃げたくもあったりと。

▼異常なまでの警察優遇社会
100%の確定証拠があるわけではない以上、当然疑わしきは罰せずで仲間を守る、というのは良い事なので、
そこはまぁいいんですが、状況証拠程度とはいえ、ほぼ間違いなくディアンジェロのチームは、よりによって
黒人少年が轢き逃げで殺された件に何かしら関わっているらしい、というのが確定しているにも関わらず、
ハーパーが「4人を別々の部屋に入れて下さい」と言っても無視して「気にするな、4人一緒だ」で同じ部屋に
収監したり、裁判ではディアンジェロ達に求める求刑をハーパーが読み上げると警察側の席からブーイング、
保釈金50万ドルを要求して逃亡の危険性がある話もしたのに、ヤブンロンスキーに2万5000ドルでの判決。
カドゥースが吐き捨てたように、警察というだけで少年を轢き逃げたしたのに異常に甘い判決が下って、
実際劇中でも語られていたように、検察弁護側共に警察というだけで重い判決が下されないという事実。
極めつけに、ディアンジェロ達の弁護士に支払う裁判費用は警察協会が全額負担するという異常な高待遇。
恐らく現実の世界でもこんな感じなんでしょうけど、とにかくやるせないというか、裁判の場合は証拠が全てで
立証しなければいけないので裁判を行っての判決はともかく、その前の時点でのこの異常な警察優遇社会が。

▼個人的に最も酷いと感じたのはヤブンロンスキー
終盤で弁護士に「弱い」と言われていたように、子供時代の父親からの横暴な態度も含めて当然そういう性格に
育った部分はあると思いますし、むしろ序盤なんかは危険があるのに病室へ見舞いに行ったり自首の考え、
当然ながらまともな考えを持っていて、轢き逃げこそしてしまったもののまだ好印象の持てる人物だったのに、
物語が進むにつれて「俺が公園で轢いたガキはどうせギャングの一人だ、死んで当然のやつだった」という
とんでもない発言をするようになったり、実際家計が厳しいので家族を養う必要があるのは分かるものの、
俗に言う汚い金に手を出す汚職警官になって、子供を轢き殺してしまったのに正当化するような性格に変貌。
その後もウィルコックスに毎回突っ込まれていたものの、確かにチームで行動して、隠蔽は全員でしたとはいえ、
張本人のヤブンロンスキーは未だに分かっていないのか「俺たち」と呼称し、態度も決して良くなく、一度として
「俺のためにすまない」的な謝罪も無かったり、出頭したのは偉いものの、その後は刑期の長さに絶望したり、
証拠は無いから大丈夫なはずとか、口裏を合わせないと、と必死になってたりと見苦しすぎてなんとも。
流石に最後は自分の為に隠蔽工作をしてくれたディアンジェロ達チームの皆を巻き込まず「車で逃げた」
と誰も関わってないと嘘を吐き通したので、そこはまぁ偉いというか、良くはないものの筋は通したわけですが、
初回の雰囲気だと最後まで良心の呵責に苦しみ最後に自首、或いは自責の念に駆られて自ら命を、という
展開になるのかと思っていたら、どんどんクズになっていくだけで反省する素振りがないという驚きの展開でした。

▼ディアンジェロに後悔はあるのか
仲間のヤブンロンスキーを庇ってしまったが為にこんな事に…という後悔は恐らく一切無いと思いますが、
何度か描かれた子供が好きという描写、目撃者の決定的な証言なので口封じの必要があるのにナディーンを
目の前にしても結局殺せなかったように、子供が好きというのは間違いなく事実。
そのディアンジェロが、弁護士にも語ったようにブレントンにまだ意識があったと知っていれば間違いなく救助を
優先して行動していたでしょうに、やはり血だらけの状況だったという事もあってか確認もせずに隠蔽工作を
進めてしまったという、これがディアンジェロにとって最大の後悔でしょうか。
実際ブレントンを救えたかどうかは別にして、子供を救えたかもしれないチャンスがあったのに、そのチャンスを
自分の思い込みで確認もせずに行動してしまった、というのはディアンジェロにとって後悔しているだろうなーと。
自分が起こした事故ではないとはいえ、現場を見れば焦りもあるでしょうし恐ろしく見晴らしの良い公園なので
早く行動シなければ見られるかもしれない、といった具合に冷静ではいられなかったでしょうけど、それでも
ディアンジェロにとって「子供を救えたかもしれないのに救わなかった」は悔やむ出来事だろうなーと。
弁護士にも言っていたように、意識があると知っていれば行動に出ていたでしょうし。

▼決してスカっとはしない結末
判決は364日の勾留で仮釈放あり、ヤブロンスキーがディアンジェロ達の関与を自供しなかった為3人は無罪。
なんとも無念な結末になりましたけど、現実的にはやっぱりこういう形になるのが普通という感じでしょうか。
自由の女神の件に関しては。確かにヤブロンスキーは溝に横たわるブレントンを見たかもしれませんが、人種の
色がどうとかではなく、轢き逃げをしてしまった恐怖から逃げ出したくなるのは、良くはないもののこればかりは
別に不自然な事ではないと思いますし、自転車を轢いてしまった事自体は事故なので別に狙ったわけではなく、
となると「黒人少年だったので放置した、白人少年なら助けた」は立証出来ませんし、警官である以上そんな事は
ないと思うので、ならやっぱりヘイトクライムに関しては流石に無理というか。
同様に、残念ながらディアンジェロ達は関わっていないという偽証も証拠が無い以上証明出来ないので、となると
現実的な証拠から言えば、ヤブンロンスキーが轢き逃げをした、でも隠蔽工作等は立証出来なかったので、
364日という期間の長い短いは別にして、やっぱりこういう判決になってしまうものなのかなーと。
警察が守られすぎているとかは抜きに、この場合は逃亡せずディアンジェロ達が逮捕された際に自首してきた、
過去の警察官としての業績が素晴らしい、は考慮されて然るべきだとは思うので、減刑もされやすいというか。
他に関して言えば、結局ナディーンの無念は晴らせなかったうえ、オソリオは一生苦しむ事になるでしょうけど、
ナディーンを殺した事で目撃証人が消えてディアンジェロ達は法律上無罪で終了、というのもひどいですよね。
裁判終了時に警察の仲間が出迎えていたので、本人達が居心地の悪さを感じない限りは今後も仕事が出来て、
完全にナディーンという目撃者を殺してディアンジェロ達が得をした、の状態になってるのがなんとも。

▼全10話を見終えての感想
内容が内容なだけに重い作品でしたし、最後に正義が勝つ、の内容でもないのでオススメするべきかどうか、
で言えば中々人様には勧めにくい作品ではあるものの、重厚な犯罪サスペンスで非常に面白い作品でした。
フィッシュとハーパーのキャラも良かったですし、展開上悪人側として描かれてはいるもののディアンジェロの
チームを想う大切さやイイ兄貴っぷりはやっぱり見ていてキャラの良さや深みを感じましたし、ヤブロンスキーが
冒頭で轢き逃げをして、その後のヤブロンスキー達の描写も丁寧に描かれているのが特に良かったです。
オソリオのように苦しむものもいれば、ウィルコックスのように万が一に備えて証拠品を隠すものも居たりと、
罪の意識に苦しんだり、当然ながら轢き逃げや隠蔽工作をしてしまった側も何かと苦しんではいる、という描写が
丁寧に描かれて、バトラー夫妻の人生が崩壊していく様もリアルで辛いものがありましたし、とにかく全体的に
リアルな展開と描写で、前述のように4話のラストでナディーンとディアンジェロが警察署内でニアミスをした辺り、
この辺りから物語が一気に面白くなってきて続きも気になる展開で、ホント重たいものの一気に見れる面白さ。
作品としては重たいものの、MVPはやっぱりフィッシュでしょうか。
終始ガムをくちゃくちゃ噛んでややにやけている表情を見せて、でも事件の捜査が進むと真面目に行動して、
ナディーンが殺されて以降の怒りは当然共感出来ましたし、重い作品の中でフィッシュのキャラは良かったです。

2018-08-23 : NetFlix : コメント : 0 : トラックバック : 0
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